著作権を侵害しないためには

~自由にできる行為と、してはいけない行為を理解する~

著作権という言葉は聞いたことはあるけれども、ふだん意識することはあまりないのではないでしょうか。
しかし、著作権上問題となる行動は思わぬペナルティを呼び込んでしまうこともあります。
インスタグラムの画像を、本人の承諾なしにコピーして自分の商品に貼り付けて売る行為は、著作権法上問題があります。
一方、その画像を自分のスマホの待ち受け画像にする行為は問題ありません。

著作権法は、著作者が自分の創作した著作物を排他的・独占的に利用できるよう保護する法律です。
著作権法上、OKな行為とNGな行為を分ける基準とはどういうものなのでしょうか。

著作物

著作権法で守られるものを著作物といいます。次のようなものです。

ⅰ) 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
ⅱ) 音楽の著作物
ⅲ) 舞踊又は無言劇の著作物
ⅳ) 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
ⅴ) 建築の著作物
ⅵ) 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
ⅶ) 映画の著作物
ⅷ) 写真の著作物
ⅸ) プログラムの著作物

著作物として認められるためには、次の要件を満たす必要があります。

ア) 思想または感情の表現であること
イ) 表現に創作性があること
ウ) 外部に表現されていること
エ) 文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものであること

著作権

著作者がもつ権利は、著作者人格権と著作財産権(狭義の著作権)です。

ⅰ) 著作者人格権

a) 公表権
まだ公表されていない著作物を公衆に提供・提示する権利です。

b) 氏名表示権
著作物の原作品に、または公衆への提供・提示に際し、実名・変名を著作者として表示し、または表示しないことを決める権利です。

c) 同一性保持権
著作物およびその題号の同一性を保持し、その意に反して変更・切除などの改変を受けない権利です。

ⅱ) 著作財産権
著作物を排他的・独占的に利用できる権利です。

a) 複製権
b) 上演権・演奏権
c) 上映権
d) 公衆送信権等
e) 口述権
f) 展示権
g) 頒布権
h) 譲渡権
i) 貸与権
j) 翻訳権、翻案権等
k) 二次的著作物(※)の利用に関する原著作者の権利

(※)著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案することにより創作した著作物

著作物の自由利用

著作者の許諾を得ずに著作物を自由に利用できるケースがあります。
例示すると次の通りです。
詳しくは文化庁のホームページを参照してください。

a) 私的使用のための複製
個人的にまたは家庭内などでの使用を目的とするときは、一定の場合を除き、複製することができます。

b) 写り込み
写真撮影などで撮影対象ではない著作物が写り込んでしまう場合は著作権侵害となりません。

c) 引用
自分が説明する際に他の文章や事例、故事などを用いる場合、公正な慣行に合致し、正当な範囲内であれば著作権侵害となりません。
引用する場合は、引用する著作物の出所(題号、著作者名、出版社名、掲載雑誌名など)を明示しなければなりません。

d) 公共の著作物の転載
国や地方公共団体の機関などが一般周知を目的として作成・公表する広報資料や調査統計資料などの著作物についてです。
禁止する旨の表示がない限り、説明の材料として新聞や雑誌などの刊行物に転載することができます。

著作物の利用の許諾

著作者に対価を支払うことにより許諾を得れば著作物を利用することができます
著作者は、利用方法や条件を決めることができるので、その範囲内での利用となります。

⑤著作権の侵害

自分の著作物が許諾なしに利用されてしまった場合、著作権侵害となります。
著作権者は、侵害者に対して差止請求損害賠償請求をすることができます。
なお、損害賠償については、請求者が侵害者の行為に故意・過失があったことを立証する必要があります。

著作権の保護期間

著作権が守られる期間は有限です。
原則として著作者の死後70年を経過するまでです。

なお、出願して登録されないと認められない特許権や商標権などと違い、著作権は著作物を創作した時点で権利として認められます

著作権を侵害した場合、刑事罰を科されるケースがあります。
社会的信用を失うリスクも考えられます。
うっかり侵害してしまったなどということがないように、著作権について理解を深めておくことは重要なのです。