シニア起業したいけど踏み出せないあなたへ

~楽しい第二の人生で社会貢献を~

2020年版中小企業白書によれば、男性のフリーランス(雇用されていない)起業家の実に47.2%が50歳以上を占めています。
起業しているシニア層は結構多いのです。

しかし、今の中高年世代は、良い会社に就職して定年まで勤めあげることが望ましい人生と刷り込まれてきました。
今さら起業なんてリスクを取るくらいなら、我慢して定年までやり過ごす方が無難だと考える方が多いのではないでしょうか。
そのような安定志向だと、シニアの起業を志そうという気になってもなかなか踏み切れないかもしれません。

起業は、人から指図を受けずに自分の裁量で仕事ができる喜びを味わうことができます。
起業を成功させるにはどうすればよいのかを知ることが一歩踏み出す勇気をもたらしてくれるのではないでしょうか。
会社勤めを卒業してシニア世代で起業することのメリットと注意点を述べていきましょう。

【メリット】

これまで培った豊富な経験やノウハウ、幅広い知見を生かすことができ
シニア世代になれば、だれもが自分の得意な分野をもっているはずです。

資金的に余裕がある人が多くなってくる
貯蓄や退職金などを起業資金として活用したり、当面の生活資金が確保することができたりといったアドバンテージがあります。
65歳になれば年金収入も見込めるので生活費を稼ぐのにそれほどあくせくしなくても済みます。

自由に使える時間が増えてくる
会社勤め時代と違って、働く時間は自分で調整することが可能です。
自分のペースを維持できるので効率的に働くことができ、高いパフォーマンスを発揮できます。

起業すればさまざまな人との新たなつながりができるので、生きがいややりがいを持ち続けることができる
退職して会社勤め時代の人脈が断たれて孤立することを避けられます。

すべて自分の自由裁量で仕事ができるので会社勤めのようなストレスを感じなくて済む
また、定年がないので年齢に関係なく働くことができます。
やめる時期を選ぶのも自分の判断になります。

【注意点】

会社勤め時代の肩書や人脈が使えなくなる
すべて自分の力だけでやっていかなければならなくなるのです。
また、管理職だった人などはプライドを捨てられない人もいるようで、いわゆる武士の商法にならないよう注意する必要があります。

長年の社会人経験が裏目に出る可能性もある
さまざまなバイアス(偏見)がかかります。
自分の経験や知識から物事を決めつけて柔軟性に欠けることにならないよう意識する必要があるでしょう。

健康面、体力面でリスクが高くなる
年を重ねるにつれて生じる、だれもが避けられないことです。
健康診断受診による早期処置、ふだんからの体力づくりといった対策を自分で立てて実行していく必要があります。

若年層と違って、失敗した場合にやり直しが難しくなる
とくに多額の借入金を負ってしまった場合は顕著です。
借入は慎重に検討すること、生活資金は事業資金と区分してしっかり確保しておくことが必要です。

シニアの起業にはさまざまな支援策が充実しています。
日本政策金融公庫の新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)、地方自治体や商工会議所などによる起業家塾・セミナー・相談会などが活用できます。
また、起業にかかる助成金や補助金もあります。

シニアの起業で留意すべき点をいくつか挙げると以下の通りです。

身の丈に合ったサイズを保つこと

自分のペースを守って決して無理をしないこと

楽しくストレスなく長続きできるよう取り組むこと

人や社会に感謝する気持ちを持ち続けること

寿命が延び、高齢社会となった今、第二の人生は会社勤めに匹敵する期間になるかもしれません。
シニア層が働くことによって少子化による労働人口の減少をカバーできます。

多くのシニア層が起業し、楽しみながら社会貢献をしていくことを期待しています。