医療費が年間10万円を超えたら

~医療費控除により支払う税金が減る~

医療費は、1~3割が自己負担となります。とはいえ、入院などで高額の医療費がかかってしまうと家計を圧迫することになりかねません。そのような場合は、公的医療保険の高額療養費制度により、所定の自己負担限度額を超えた分を払い戻してもらえます。

それでも自己負担額が大きくなるときは「医療費控除」により税金の支払額を軽減できる場合があります。確定申告をすることにより、一定額の医療費を所得から差し引くことができるのです。勤務者の方は、確定申告により税金が還付されます。

(出典)パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

①その年中に支払った医療費

自分のみならず同一生計の配偶者その他の親族のために、1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費が対象となります。未払いの医療費は実際に支払った年に控除対象となります。

②手続き

医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を提出します。医療費控除の明細書または医療保険者等が発行した医療費通知を添付します。医療費控除の明細書を添付する場合は医療費の領収書を保存する必要があります。確定申告期限等から5年間、税務署から確認を求められることがあるためです。

③対象となる医療費

病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象となります。医療費控除の対象となるのは次のようなものです。

○医師、歯科医師による診療・治療費用
○治療や療養に必要な医薬品の購入費用
○治療のためのあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術費用
○保健師や看護師、准看護師による療養上の世話の費用
○介護保険等制度で提供される一定の施設・居宅サービスの自己負担額
○病状からみて急を要する場合に病院に収容されるための費用

・美容整形手術費用は対象になりません。
・人間ドッグや健康診断の費用は、重大な疾病が発見された場合に対象となります。
・タクシー代は、病状からみて急を要する場合や、電車やバス等の利用ができない場合に対象になります。
・自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金は対象になりません。
・治療を受けるために直接必要としない、近視、遠視のための眼鏡、補聴器等の購入費用は対象になりません。
・予防接種費用や健康増進のためのサプリメント等の購入費用は対象になりません。

④保険金などで補てんされる金額

次のような医療費を補てんするために支払われるものを医療費から差し引きます。確定していない場合は見込み額となります(金額が異なった場合は修正申告や更正の請求が必要)。

○生命保険契約や損害保険契約に基づき医療費の補てんを目的として支払を受ける医療保険金や入院費給付金、傷害費用保険金など
○社会保険や共済に関する法律やその他の法令の規定に基づき、医療費の支払の事由を給付原因として支給を受ける給付金
 (例)健康保険法の規定により支給を受ける療養費や出産育児一時金、家族出産育児一時金、家族療養費、高額療養費、高額介護合算療養費など
○医療費の補てんを目的として支払を受ける損害賠償金
○任意の互助組織から医療費の補てんを目的として支払を受ける給付金

なお、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費から差し引く必要はありません。

⑤10万円または所得金額の5%(どちらか少ない額)

所得が200万円未満の場合は、医療費が10万円未満でも対象となります。

⑥セルフメディケーション税制

次の場合も、確定申告を行うことで税金が還付される場合があります。

○自分や同一生計の配偶者その他の親族のために支払った特定一般用医薬品等購入費が年間12,000円を超える
○健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行っている
 (例)人間ドックやインフルエンザの予防接種など健康の保持増進及び疾病の予防
○2026年12月31日までの間に購入する

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(出典)パンフレット「暮らしの税情報」(令和5年度版)

なお、セルフメディケーション税制の適用を選択した場合、通常の医療費控除を受けることはできません。

対象となる医薬品(スイッチOTC薬等)は、購入した際の領収書にセルフメディケーション税制の対象であることが表示されています。具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページに掲載されています。

高額の医療費を支払った場合、加入している公的医療保険にも、家計の負担を軽減する方法があることを知っておきましょう。