教育訓練給付制度の利用を検討しよう
~社会人の学び直しへの支援~
昨今の社会の変化は著しいものがあります。
社会人となってから時間が過ぎると、仕事をしていくうえで、学校で勉強したことだけでは足りなくなります。
知識やスキルをアップデートしていくことが必要なのです。
政府は、社会人が学び直すことを意味する「リカレント教育」に力を入れています。
その費用が負担になることがあるので、さまざまな支援策が用意されています。
「教育訓練給付制度」は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了すると受講費用の一部が支給されるものです。
身につけられる内容やスキルのレベルによって、次の3つの種類があります。
対象となる講座は約14,000あります(令和4年10月1日現在)。
教育訓練講座検索システムで検索できます。
①雇用の安定・就職の促進を支援する「一般教育訓練給付金」
②労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成を支援する「特定一般教育訓練給付金」
③労働者の中長期的なキャリア形成を支援する「専門実践教育訓練給付」
①一般教育訓練給付金
ⅰ) 対象者
次のいずれかに該当し、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を修了すること
ア) 雇用保険の一般被保険者等
一般教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般被保険者等または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上(※)ある
イ) 雇用保険の一般被保険者等であった方
一般被保険者等の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が3年以上(※)ある
(※)当面の間、1年間
ⅱ)支給額
教育訓練経費の20%(上限10万円)。ただし4,000円を超えること
②特定一般教育訓練給付金
速やかな再就職や早期のキャリア形成を目的としています。
ⅰ) 対象者
①と同じ
ⅱ)支給額
教育訓練経費の40%(上限20万円)。ただし4,000円を超えること
(注)ア~ウの条件を満たす必要があります。
ア) 訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける
イ) 就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード」の交付を受ける
ウ) 受講開始日の1か月前までにハローワークで手続を行う
③専門実践教育訓練給付金
中長期的なキャリア形成を目的としています。
ⅰ) 対象者
①と同じ
ⅱ) 支給額
教育訓練経費の50%(年間上限40万円)。ただし4,000円を超えること
給付期間は最大3年で、6か月ごとに支給申請します。
さらに、次の条件を満たせば教育訓練経費の20%にあたる追加支給を受けることができます。
ア) 受講修了後に受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得などをする
イ) 修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された
この場合の支給額合計は、最大で教育訓練経費の70%(年間上限56万円)となります。
(注)②のア~ウの条件を満たす必要があります。
さらに、一定条件を満たす離職者には「教育訓練支援給付金」支給されます。
ⅰ) 対象者
・一般被保険者でなくなってから1年以内に専門実践教育訓練を開始すること
・専門実践教育訓練を修了する見込みがあること
・専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること
・受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと
・受給資格確認時において離職していること。また、その後短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと
・会社役員、自治体の長に就任していないこと
・教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日前に受けたことがある場合は例外があります)
・専門実践教育訓練の受講開始日が令和7年3月31日以前であること
ⅱ) 支給額(日額)
原則として離職する直前の6か月間に支払われた賃金額から算出された基本手当(失業給付)の日額に相当する額の80%
教育訓練給付金の支給申請は、住所地のハローワークに行います。
教育訓練給付制度は、受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は支給されません。
受講講座は慎重に検討して選択する必要があります。
上手に利用して再就職やキャリア形成にいかしてみてはいかがでしょうか。