中小企業活性化協議会とは

~幅広い相談に応じる「中小企業の駆け込み寺」~

2022年4月、「中小企業活性化パッケージ」にかかる一連の支援施策を担う機関として「中小企業活性化協議会」が設置されました。
協議会は、「中小企業再生支援協議会」と「経営改善支援センター」が統合したものです。

協議会は、「地域全体での収益力改善、経営改善、事業再生、再チャレンジの最大化」を追求するため、次の3点を行います。

「中小企業の駆け込み寺」として、幅広く中小企業者の相談に対応

協議会自身においてあらゆるフェーズの中小企業者への支援と民間の支援専門家の育成を実施(旧中小企業再生支援協議会による支援)

各フェーズでの民間による支援を促進すべく民間の支援専門家の活用を普及啓発(旧経営改善支援センターによる支援)

協議会は、47都道府県に設置されており、全国の商工会議所等が運営し、金融機関、民間専門家、各種支援機関と連携しています。
地域のハブとなり、「中小企業の駆け込み寺」として、経営課題にかかる幅広い相談を受けられるようにしているのです。

相談対応は2段階になっています。

<第1段階>窓口相談

中小企業に対して、面談や提出資料の分析を通して、経営にかかる問題点や課題を抽出します。
それを踏まえ、問題点や課題を解決すべくアドバイスを行います。

協議会での支援が適当と判断した場合は、第2段階へ進みます。
関係支援機関の活用が適当と判断した場合は、よろず支援拠点などの支援機関を紹介します。

なお、第1段階は無料です。

<第2段階>収益力改善支援、再生支援、再チャレンジ支援

経営課題の内容によって、支援内容は3つに分かれます。

収益力改善支援

【対象】環境変化に伴い、収益力低下、過剰債務等による財務内容の悪化、資金繰りの悪化等が生じるおそれがある中小企業です。

【支援内容】今後1~3年間の収益力改善計画(※)を作成し、定期的なモニタリングにより計画達成に向けた助言をすることです。
必要なら他の支援へ移行します。
収益力改善計画の書式、記載例、留意事項は「参考資料等」で公表されています。

※収益力改善計画遂行中の行動計画(収益力改善アクションプラン)+簡易な収支・資金繰り計画

再生支援

【対象】収益性のある事業はあるものの、財務上の問題がある中小企業者です。

【支援内容】事業面・財務面での改善を図る再生支援を実施します。
中立公正な第三者機関の立場からの助言と再生計画作成のサポートです。

原則として以下の基準を満たすように作成を支援します。
計画作成後は、定期的なモニタリングにより計画達成に向けた助言を行い、必要なら他の支援へ移行します。
なお、将来の計画策定を予定し、今は基準を満たさないプレ再生計画の作成の支援もあります。

ⅰ) 中小企業

ア 実質的に債務超過である場合は、再生計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から5年以内を目処に実質的な債務超過を解消する。
イ 経常利益が赤字である場合は、再生計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から概ね3年以内を目処に黒字に転換する
ウ 再生計画の終了年度(原則として実質的な債務超過を解消する年度)における有利子負債の対キャッシュフロー比率が概ね10倍以下となる

ⅱ) 小規模な事業者

ア 再生計画成立後2事業年度目(再生計画成立年度を含まない。)から、3事業年度継続して営業キャッシュフローがプラスになること
イ 相談企業が事業継続を行うことが、相談企業の経営者等の生活の確保において有益なものであること

再チャレンジ支援

【対象】収益力の改善や事業再生等が極めて困難な中小企業や保証債務に悩む経営者等です。

【支援内容】弁護士等の外部専門家の紹介
「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」等を活用した円滑な廃業に向けてのサポート
「経営者保証に関するガイドライン」等を活用した経営者等の再スタートのための支援


再チャレンジ支援が目指す「円滑な廃業」、そして「経営者等の再スタート」に向けた支援は以下の通りです。

ア 破産手続によるよりも、中小企業の従業員等が円滑に転職できる機会が確保されていること
イ 破産手続によるよりも、経営者等にとって当該地域において再度事業を行う等の再スタートが容易であること、
ウ 破産手続によるよりも、当該中小企業の取引先の連鎖倒産を回避することができること
エ 仮に、中小企業が法的整理に至ったとしても、円滑な廃業を目指したことによって、法的整理手続を活用しながら事業譲渡等により事業及び雇用を維持できる可能性が高まること

協議会は、さらに「経営改善計画策定支援事業」も行っています。

【対象】借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えており、自ら経営改善計画等を策定することが難しい中小企業。

【支援内容】認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援する場合、費用の2/3(上限あり)を協議会が負担します。

協議会は、中小企業と金融機関との橋渡しのノウハウももっているといいます。
資金繰り悪化や借入金増加などの悩みを解決するために活用できる機関なのです。