従業員との関係がたちまち良くなる8つの秘訣
~経営者は「人たらし」であれ~
従業員が思うように動いてくれない。
従業員が会社に不満があるようだ。
従業員との人間関係に悩む経営者は多いと聞きます。
そもそも経営者は企業を維持発展させることが仕事、従業員は給与に見合った労働を提供するのが仕事という違いがあります。
立場の違いから同じ方向を向くことがそう簡単ではないのです。
私は管理職だったとき、一度に数十人の部下を抱えた時期がありました。
正社員、再雇用、契約社員、パートタイマー、派遣社員とバラエティに富んでいるメンバーの取りまとめはたいへんです。
全員を同じ方向に進ませて組織を動かした私の経験が経営者の方々の参考になれば幸甚です。
経営者が従業員との良好な関係をつくり、思い通りに経営していくために、次のような点に留意してみてはいかがでしょうか。
①従業員が仕事をしやすい環境をつくる
従業員がやりがいを感じて楽しく働ける職場環境をつくることが最終目標です。
具体的には②以降の一つひとつの項目を実践していきます。
②なるべく従業員ファーストを心がける
経営者は多忙であり、いちいち従業員にかまっていられないのが本音でしょう。
どんな状況でも従業員を最優先せよというわけではありません。
従業員への対応が必要なときはたとえ後日になったとしても必ず真摯に対応する。
そういう心構えをもつことが大事なのです。
経営者自身でなくリーダー格の従業員が実際の対応をするのはかまいませんが、丸投げせず自分も関わる姿勢をもつ必要があります。
③経営者はぶれない しかし臨機応変に
経営者の考えが朝令暮改ではいけません。
信念を貫く姿勢をもたないと従業員は迷ってしまいます。
ただし、間違った方向に進んでいたときは速やかな軌道修正が必要です。
従業員にはきちんと説明すれば信頼を失うことはないでしょう。
④まずは従業員の意見を聞く姿勢をもつ
従業員の意見に耳を傾けない経営者はいけません。
もちろんすべての意見を採用する必要はありません。
理想としては、正しい意見であれば、可能な範囲で従業員の意見通りにするのが基本。
しかし必要な修正はきちんとする。
何でもかんでも経営者が抱えることはできません。
従業員を育てる必要があります。
従業員が自分の判断で経営者の右腕になるような仕事ができるように尽力するのです。
権限委譲が実現できれば経営者と従業員の双方にプラスになるでしょう。
⑤従業員が安心して仕事ができるようにする
従業員のミスに責任をもつ姿勢を示す必要があります。
「任せるから思う存分やれ。責任は自分がとる。」
昔からよく言われていることです。
また、途中ではしごを外すようなことをしてもいけません。
⑥よく褒める 筋道立てて叱る
従業員のよい点は率直に褒めます。
よくない点はどんなところがよくないのか論理的に説明して直させます。
理想としては従業員に納得してもらうのがよいのですが、無理は禁物です。
その場で理解が得られなかったとしても、考えさせる材料を与えることが重要です。
何らかの形で従業員の成長につながればよしとします。
⑦報連相が気軽にできる環境をつくる
2人以上で仕事をするならきめ細かな報連相が欠かせません。
経営者が忙しそうにしていても報連相したいと申出られる雰囲気をつくっておくべきです。
必要な情報が上がって来なくて組織の風通しが悪くなって不祥事につながった企業が多いことは耳にされているでしょう。
今対応できないならば、いつ対応できるか話して待ってもらえばよいのです。
部下に話しかけるのが大事とよく言われますが、話しかけられるのはもっと大事です。
広く門戸を開いておくことが結果的に経営にプラスに働きます。
⑧従業員が意見を言いやすい環境をつくる
従業員の意見は耳が痛いとかうるさいとか感じることもあるかもしれません。
しかし、顧客からのクレームは商品・サービス改善のための宝の山といわれます。
従業員からの文句や不満も業務改善の糸口となりえます。
経営者が気づいていない問題を教えてくれるわけです。
いつでも意見を言ってほしいというと負担に感じるなら、定期的なミーティングなどの場を設けてもよいでしょう。
従業員に最大限能力を発揮してもらう環境を整えるのは経営者の大事な仕事の一つであることは間違いありません。