融資が通りやすくなる必要書類提出の勘所

~協力を惜しまない態度で~

金融機関へ融資やリスケ(返済条件変更)などを申込むと、審査担当者との面談があるケースが多くみられます。
申込時点と面談時点、さらには面談後と複数回にわたり資料提出を求められることがあります。
こちらも忙しいのに面倒と感じたり、どこまで提出すればよいのか不安になったりすることもあるでしょう。

しかし、迅速に融資審査を進めてもらうためにも協力を惜しんではいけません。
提出する側の負担をできるだけ軽減しつつ、相手が求めるものを効率よく提出できれば、ストレスを感じなくて済みます。
具体的に解説しましょう。

<やってもOKなこと>

事前に金融機関のホームページやパンフレットなどでできる範囲で調べておくこと

決算書・確定申告書や登記簿謄本、本人確認書類など、自分ですぐに用意できるものがわかります。
あらかじめ準備しておけば時間がかからなくて済みます。

期限までに揃えられないときはその旨をきちんと伝え、いつまでに提出できるのかを明確にすること

ほかのところに依頼する場合など、時間がかかる場合は遠慮なく伝えましょう。
自分が忙しいというのは理由になりませんので言わないのが得策です。

理解できないときは早めに確認すること

なかには審査担当者の説明不足の場合もあるので躊躇せずに尋ねましょう。
もし勘違いして違う資料を提出してしまうと時間の浪費になってしまいます。

とくに求められていないが補足資料を提出したい場合は、審査担当者の意向を確認してみること

ものによっては有利にはたらく場合もあります。
もし不要な場合は審査担当者からいらないと言われるので、とりあえず確認してみる価値はあります。

専門家に協力してもらうこと

事業計画書や資金繰り表など、自分ひとりでは作成が難しい場合は、専門家のサポートを受けたほうがよいでしょう。

<やったらNGなこと>

やたら大量の資料を提出すること

審査担当者も忙しい身です。
可能なら必要な部分を厳選したほうがよいのですが、必要な部分を外してしまわぬよう注意しましょう。

整合性のない資料を提出すること

関連する資料を比べたら辻褄が合わないことが判明してしまうと、資料の信憑性が疑われかねません。

自分が説明できない資料を提出すること

審査担当者の質問に答えられないと悪印象を与えてしまいます。
事前に目を通してわからないところをつぶしておくのが理想です。
ただし、担当の従業員などに同席させて説明できるならそれでよい場合もあります。

顧問税理士等に丸投げすること

③と同様です。他人事にしてはいけません。

資料を揃えるのが面倒だからといって審査担当者にクレームを入れること

「少額の申込なのになぜこんなにたくさん提出しなければならないのか」

「前回はこんなにたくさん求められなかった」

「後から小出ししないで一回で言え」

「こんなに面倒なら他から借りるぞ」

そのような発言は厳に慎みましょう。
審査担当者も理由があって求めていることを理解してください。

ただし、なぜ提出が必要なのか純粋に疑問に思ったときは尋ねることは差し支えありません。
その際も決してクレームめいたことを言ってはいけません。
低姿勢になって教えてもらう態度を示せば審査担当者の心証を悪くすることはないでしょう。

決して卑屈になる必要はありませんが、融資をお願いする立場であることをわきまえることが重要です。
金融機関に可能な限り協力したほうが、結果的に良い形で自分に跳ね返ってくることが多いものです。
感情的にならずにうまく立ち回る術を身につけることも必要です。
それとともに、対処方法を理解していれば、手間や負担感を軽減させることも可能なのです。