融資が通りやすくなる審査面談攻略法

~相手が求めていることを理解し、納得してもらえる回答をする~

金融機関に融資を申込むと、審査のために面談・面接を求められることが多いです。
何を聞かれるのだろうか? 全部正直に話したら貸してもらえないのではないか?
不安で頭がいっぱいになる方もおられるでしょう。

でも、そんなに心配する必要はありません。たった一点だけ心がけておけば大丈夫です。
それは、審査担当者の質問の意図をきちんと理解して、相手が納得するように回答することです。

金融機関も人が動かしている組織です。
必ずしも杓子定規な対応をするわけではなく、ときには感情で左右されることがないとはいいきれません。

経営者としてはできるだけ自分の要望を聞いてほしいものです。
金融機関の担当者と話すときに、相手の感情を自社にとってプラスの方向にもっていくにはどのようすれば効果的なのでしょうか。
具体的に解説していきましょう。

論理的に説明する

「売上が下がった理由は何ですか?」
「貸付金が発生した理由は何ですか?」
「赤字を解消するためにどうするつもりですか?」

そういう質問に
「わかりません」
「どうしてですかね」
「税理士に任せているので私にはわかりかねます」
といった回答はNGです。

経営者なのに自社のことも把握していないようでは、審査担当者は「この経営者は大丈夫か?」と不安に思ってしまいます

自社の経営に関する事実の原因と対策はしっかり把握し、筋道立てて説明できるようにしておく必要があります。

「販売先が1社倒産したので売上が下がりましたが、新たに開拓した販売先があるので今後は回復する見込みです」
「子供の教育資金で一時的に会社から借りてしまいましたがもう返済しています。今後はこのようなことがないように気を付けます」
「成績がよくない従業員を解雇したり交際費を抑えたりして利益を増やします。来期には黒字になる見通しです」
などと説明するのが正解です。

また、責任転嫁はよくありません
「景気が悪いから」
「自社製品のよさがわかってもらえないから」
「従業員の働きが悪いから」

外部環境のせい、人のせいにしては何の解決にもなりません。

「商品構成を見直して売れる商品に絞ります」
「従業員を再教育して生産性を高めます」
といった回答だと納得してもらえます。

なお、どうしてもわからなければいったん持ち帰り、後刻わかり次第速やかに回答すると約束すればよいのです。

後回しにしない

わからないことはその場で質問したり説明を求めたりしましょう
もし後でわからないことが判明したら、すぐに審査担当者に連絡して確認すればよいです。
悩んだりして時間を無駄にすることは、自分にとっても審査担当者にとってもマイナスになります。

必要に応じて補助資料を呈示する

言葉だけでは説明できないようなら、わかりやすいコンパクトな資料をあらかじめ準備しておくのも効果的です。
状況次第ですが、求められなくても提出するか、求められたらすぐに提出できるようにしておきます。
企業のプロフィールや事業の概要、事業計画書、毎月の試算表、資金繰り表などです。

冷静かつ謙虚にふるまう

審査担当者によっては訊問口調で不快に感じることもあります。
でも決して感情的になったり激しく抗議したりしてはいけません。
反論するなら落ち着いて論理的に行いましょう

また、自分にとって耳が痛いことを言ってきても謙虚に聞く姿勢を忘れてはいけません
相手の言っていることをきちんと理解しないと、的確な回答はできません。

目先のことにとらわれず長い目で見る

とくに融資を断られたときは、理由を説明してもらい理解することが大事です。
場合によっては審査担当者にどうすれば借りられるのか教えてもらってもよいでしょう。
言われたことを改善して次回のチャレンジを成功させるよう努力することが賢明です。

ギブアンドテイクを意識する

一方的にお願いするのではなく、金融機関の利益になるような協力をすることも効果的です。

金融機関は融資の利息収入だけで成り立っているわけではありません。
さまざまな割り当てや目標が課せられています。
金融商品の購入や定期預金口座開設、公共料金の自動引落し、従業員の給与振込口座開設、セミナーやイベントへの参加などです。

もちろんできる範囲で構いませんが、協力的な姿勢を見せれば担当者に好意をもってもらえることは間違いないでしょう。

金融機関の審査担当者も忙しいです。
審査の結論を出すために必要な情報を速やかかつ十分に集めなければなりません。
だから、融資してほしいのなら、できるだけ担当者に協力することが大事です。
それは、担当者の意図をきちんと理解し、納得させられる情報を提供することなのです。