融資を急ぐのはもう終わりにしませんか?
~資金繰りは計画的に~
融資申込をした方から「融資を急いでほしい」と言われるケースが少なからずありました。
事業資金なら年末や月末、教育資金なら受験時期など、混みあう時期にとくに多くなるようです。
金融機関は繁閑に応じて人数を増減できるわけではありません。
必然的に順番待ちとなります。
申込の早い順に、そのなかでも借入希望日が早い順に、なるべく借入希望日に間に合うように工夫して対応していきます。
金融機関側も繁忙時期は忙しいです。
「早くしてくれ」などと言われると、「それならもっと早く来てくれればいいのに」とムッとするのが正直なところです。
「腹いせに時間をかけて嫌がらせをしてやろう」とは思いませんが、審査担当者も人間なので心証が悪くなることは否めません。
①計画性に欠け、人物的に問題があるのではないか
②借金返済に追われているとか恒常的な赤字だとか資金繰りに窮しているのではないか
③資金のほんとうの使いみちが生活資金とか闇金融の返済資金とか隠しているのではないか
といったふうに考え、審査判断がマイナス方向にバイアスがかかる可能性があるのです。
だからといって適当に理由をつけて断ることはしません。
あくまでも審査は個人的な感情が入る余地はなく、公正な判断をします。
また、せっかく親切に急いで対応してあげても後悔したくなるケースもあります。
次回申込時に「前回は早くしてくれた(から今回も早くしてくれ)」などと言う方もいますが、あまりいい気がしないのが人情です。
ゆえに金融機関に対して「急いでほしい」は禁句と言っても言い過ぎではないのです。
そう言わないようにするためには、希望日までに余裕をもって申込する必要があります。
そのために、どのようにすればよいのでしょうか?
①日ごろから収入と支出のバランスを把握しておく
きちんと帳簿をつけるだけでなく状況を逐次確認する癖をつける
②可能なら将来のために少しずつ積み立てるなどして余裕資金を確保し、想定外の支出に備えておく
③多額の支出が伴うイベント(事業資金なら設備投資など、消費資金なら不動産購入など)にはできるだけ早く準備に取り掛かる
④資金に関することは何事も計画的に行う
ⅰ)無計画、無謀な支出は控える
ⅱ)ほんとうに必要な支出なのか、その支出によってどのような効果が見込めるのか慎重に見極める
ⅲ)現実的な返済計画をたてて借入できるかどうかを考える
といったことをふだんから実行する習慣を身につけていれば、自然に余裕が生まれるのではないでしょうか。
また、お金がなければどこかから借りてくればいいやという安易な考え方はよくありません。
借りたらきちんと返さなければならない、返せなくなったらたいへんだという意識をもっておくべきです。
人気の飲食店やテーマパークのアトラクション、ゲームソフトの発売日など、だれもがじっと我慢して順番を待って行列に並びます。
早くしてほしければ早い時間に来るしかないのです。
いつごろいくら資金が必要になりそうなのか、日ごろから先を見据えた計画的な資金繰りをする習慣をつけることが大事なのです。
そして結果として、資金繰りに苦しむことから解放されるという副次的効果もありえるのです。