現代の企業経営に応用できる伊達政宗の8つのエピソード

~歴史に残る行動の意味を理解して応用する~

戦国武将の伊達政宗は、優れたリーダー、経営者でもありました。小説やドラマなどで数多くのエピソードが描かれていますが、そのなかで現代の企業経営に通じるものがいくつかあります。

ビジネスチャンスをいち早くとらえる

政宗は、仙台藩の経営でも手腕を発揮しました。運河を整備し、新田開発を積極的に行い、名目上は62万石でしたが、実際は100万石以上あったという説もあります。人口増加で深刻な米不足だった江戸に米を大量に出荷し、一時は江戸で消費する米の3分の1が仙台藩産だったといわれています。
需要が見込める市場をだれよりも早く察知して業績向上に結びつける能力が功を奏するのです。

環境変化に迅速に対応する

政宗は、若いときは天下統一の野望をもち領地拡張に意欲的でした。しかし、豊臣秀吉や徳川家康による天下統一が進むにつれ、領国経営を安定させることや、政治力の強化に重点を置くようになります。戦国時代は秀吉や家康に警戒されていましたが、晩年には将軍に一目置かれる存在にまでになりました。
時代の変化に適応することが大事なのです。

多角化経営で安定化を図る

政宗は、スペインへ慶長遣欧使節を派遣します。その目的は通商交渉だったといわれています。ほかにも金山などの鉱山の開発や、和紙などの特産品の奨励など、地場産業の振興を図りました。また、技師や大工らを招へいして桃山文化に北国の特性を加えた様式の寺社の建造も行っています。
米以外にもさまざまな収益源を創出して藩の経営の安定を目指したのです。

先読みと計画性で利益を引き寄せる

政宗は、秀吉の小田原攻めに遅参したことを詫びる意思を示すため、切腹覚悟を意味する白装束で参陣しました。意表を突いた行動が秀吉の勘気を解くことになりました。また、将軍家光が参勤交代制を発表したとき、反対者がいれば自分が討伐すると啖呵を切り家光の絶大な信頼を得ました。
相手が喜ぶような行動を計画的に行うことで、自分に有利になる結果を導き出すことができるのです。

オリジナリティを発揮する

政宗の軍隊は、朝鮮出兵の出陣式で派手で奇抜な装束をまとい注目を浴びました。いわゆる「伊達者」の語源とされています。一説には、遅参の大名で秀吉の信頼が小さいので、前線で戦わされる危険を回避するためといわれています。秀吉に気にいられて手元に置きたいと思わせることを狙ったそうです。
独自性を発揮して差別化することの重要性を示しています。

危機管理を徹底する

秀吉から、葛西大崎一揆を政宗が扇動したのではないかという疑惑をもたれ、政宗の花押のある書状を証拠として詰問されます。政宗は、もし証拠とされる書状が本物なら花押に針で刺した穴が開いているはずだが、穴が開いていないので偽物だと言い逃れます。
万が一の危機を想定してあらかじめ対応策をたてておき、できるだけ損失を抑えることが大事ということです。

コミュニケーションを重視する

政宗は、当時の戦国武将としては異例なほど、自筆の手紙を数多く書きました。家臣への業務上の細かい指示事項や、酒席での家臣に対する失態の詫び状、母の気遣いへの感謝など、約1,000通が現存しているそうです。
ふだんから部下などとのコミュニケーションを大切にして自分の意思を的確に伝えることで、組織を円滑に動かすことが容易になるのです。

顧客に対する「おもてなし」の心をもつ

政宗は、自ら腕を振るった料理を提供して客人をもてなしていました。
部下に丸投げすることなく、リーダー自らが、顧客に対する気遣い、心を込めた接遇・接客の姿勢をもつことが大事だということです。

優れた実績を残した先人の行動は、現代の企業経営にも役立つものが数多くあるのです。

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