融資を受けたいとき金融機関に見られるポイント
~真摯、正直な態度で人間性を見てもらう~
金融機関に融資を申込みたいが、貸してもらえるかどうか不安だという方が結構多いのではないでしょうか。
貸してもらいたいがために、過度にアピールしたり、うわべを取り繕ったりするのはむしろ逆効果です。
むしろありのままの真面目な姿勢を見せるほうが効き目があるといえます。
では、どのようにすればよいのでしょうか。
金融機関が見る最大のポイントは借主の人間性です。
事業を維持・発展させていく能力があるのか。
生活を破綻させずに節制できるか。
きちんとやりくりができて返済してくれるか、つまり計数観念が強いか。
融資できるかどうかの判断はそこから始まります。
具体的に説明しましょう。
①態度
人間性は「態度」に表れます。
貸してもらいたいからといって必要以上に低姿勢になる必要はありません。
謙虚な姿勢で臨むことが審査担当者の好感をもたらします。
服装や身だしなみは、ビジネスマナーとして常識的なものであれば、スーツなど正装する必要はありません。
②話し方
話し下手でも寡黙でもまったくさしつかえありません。
大切なのは自分の言葉で話すことです。
事業に対する熱意や返済意欲など、本心は自然と伝わるものです。
自分の意見を言うのは当然ですが、担当者の意見を聞く耳をもつことを忘れないようにしましょう。
突っ込まれて感情的に反論すればよい印象を与えるはずはありません。
相手の言うことを理解して冷静に対応することが重要です。
③話す内容
話す内容は整合性を意識しましょう。
自分の話の最初から最後までの一貫性のほか、提出した資料と辻褄が合う話をすることが大前提となります。
矛盾があると話していることを信じてもらえなくなります。
今後の事業展開などについて、なぜきちんとした見通しがあるのかを納得してもらえるよう説明する必要があります。
自分がそう思うからではなく、客観的にそう思える根拠を示すことが重要です。
余計なことは言わないほうが無難です。
聞かれたことを正直にかつ簡潔に話せば十分です。
もちろん、隠したりうそをついたりすれば、かなりの確率でばれることになります。
④整理整頓
求められた資料は見栄えの良い状態にして提出しましょう。
審査担当者も忙しいので、見てすぐにわかる程度になっているだけで好印象をもちます。
コピーが見えにくかったり過度に曲がっていたりしてはいけません。
インデクスまでは不要ですが、必要に応じてメモ書きを添えるなど気遣いがあるとよいでしょう。
また、提出するのに時間かかるようならいつごろになるのか早めに伝える必要があります。
もし事務所などを審査担当者が訪問する場合は、整理整頓された状態で見てもらいましょう。
散乱しているとか、どこに何があるか分からないようでは印象が悪くなってしまいます。
⑤NGなこと
借入金や税金、公共料金などの諸支払ぶりは重要視されます。
資金繰りがつかないからといってたびたび遅れたり、何カ月も支払っていなかったりしてはいけません。
もし貸したら期日通りに返済してもらえないのではないかとマイナスに思われてしまいます。
金融機関が嫌うのはルーズな人、だらしない人です。普段からきちんとしていることが重要なのです。
融資が難しいと示唆すると、減額でもいいから可能な限りで貸してほしいという人がいます。
でも不足分はどうするのでしょうか。
後先考えずに行き当たりばったりの印象をもたれます。
ほかから調達できる見込みがないのであれば、減額でもいいと言うべきではありません。
また、はじめから減額されると思って、その分をあらかじめ申込金額に上乗せしてくる人もいます。
不自然に思われてしまうことが多いのでやるべきではありません。
自分の信用状態に問題があるとわかっていて「ダメで元々で申し込んだ」という人がたまにいます。
ご自身も金融機関も無駄な時間や労力がかかります。
意味がないことはやめたほうがよいでしょう。
審査担当者は、融資できるならなるべく融資したいと本音では思っています。
真摯かつ正直に話をして人間性を見てもらおうという姿勢で金融機関と向き合うことがよい結果につながるのです。